🌟8月4日
帰国まで残り日数が少なくなってきた。
明後日のホワイトホース行きバスに乗らないと出国日までにホワイトホース空港まで戻れず帰国できなくなる。さらに明日の天気は雨。そして、もしもバスで帰るなら一旦ドーソンまで戻りバスチケットを購入しに行かなくはならず、荷物が多いので今のこの場所でのピックアップの交渉もしなくてはいけない事もあり今日で車を捕まえられなければ終了である。なので気合いをいれてヒッチハイクをやろうと思う。
(⬆ホワイトホース~ドーソン間のバス、109カナダドルとのこと。ハスキーバス社はユーコンではとても有名でドーソン空港までの送迎やドーソンからホワイトホースまでのカヌーのトランスポートなどその他色々と観光客からの要望も受付ているそうだ。)
と、その前にトイレに行こうと思いキャンプ場に併設されたランドリーの前を通るとベンチに座っていたアラスカから来たという2人組の女性から話かけられた。
名前を聞かれたのでyasudaですと答えたら、フランク安田を知ってるか?と聞かれた。
新田次郎さんが書いたフランク安田さんが主人公のアラスカ物語を読んだ事があるので知ってるよと答えるととても満足そうな顔をしてアラスカではとても有名で尊敬されていると言っていた。
彼女達のアラスカの自宅近くにユキさんと言う日本人が住んでいてよく日本の情報を聞くと言っていた。
アラスカではあまり価値がないイクラは日本では大変高価で取引されて事や日本語ではサーモンを鮭って言う事など日本の情報を色々と知っていた。
僕もユキさんに負けじと彼女達に今日本で一番熱いギャグ、「ゲッツ❗」を教えておいた(笑)
これをアラスカで出会った日本人に挨拶のかわりに使ったり、釣りでサーモンが釣れた時にやるといいよとアドバイスしておいた。
naverまとめからの抜粋
アラスカからいらした女性2人組み
その他お兄様がアウトドアショップに勤めているそうでサーモンフィッシュツアーのチーフマネージャーされているとかでアウトドアにとても精通されているようだった。
僕もアラスカには近い将来冒険を考えていて「マッキンリー山には深い敬愛の念があり、いつかマッキンリーに単独で登ろうと考えている。お兄さんは登山もやるのか?」と相談したら、「登山のトレーニングはしてるか?もし登る気があるなら知り合いのエージェント会社を紹介するよ。」とまで言ってくださりEメールアドレスを頂いた。
最後に「ヒッチハイク捕まるといいね。グットラック❗」言ってくれた。
彼女らと別れこの日のヒッチハイクを開始する。しかし、前日より車の流れが悪いような気がする。しかも全く止まってくれる気配すらない。
この日も流石にファックオフはなかったがブーイング的サインや何か呟かれたりもした。気温も上がり直射日光にさらされとても暑い。 だんだんだれてくる。
(⬆道でコーヒーを沸かして飲む。)
「今日もさっぱりダメだな、1台もなしで坊主なのか?」
諦めかけた時一台の車が停まった。
「ホワイトホースまで行きますか?」と尋ねたら、「すまん行かないんだ、ホワイトホースまで行きたければドーソンからバスが定期的に出てるがそれではダメか?ホワイトホースまでヒッチハイクするにはあまりにも遠すぎるかもだ。なので、君のことが心配だから停まった。」とおっしゃってくれた。その優しい心遣いに心救われた。
助手席には奥様が座り後部座席にはお嬢様が乗っていたので、人数分の折り鶴と日本で買って持ってきたオモチャの手裏剣をあげた。僕の持っている折り紙は葛飾北斎の版画のデザインなので、折り紙の原紙をつけて渡した。興味をもってくれようで「誰の絵か?」の質問を受けたので、「カツシカホクサイ(葛飾北斎)」と言ったら聞き取れず全く理解なかったようでキョトーンとされていた(笑)
(⬆折り紙と折り鶴。)
ホワイトホースには仕事で行ったばかりで今は家族でドーソンに遊びにきたとのこと。
心配してくれたことに深く感謝して別れた。
その後、何と何と奥さまがお嬢様と一緒に手を繋ぎ歩いて戻っていらっしゃって、折り紙のお礼として手編みのリストウォーマーを届けてくださった。
「この辺りは、朝夕は冷えると思うので使ってください。貴方に幸あらんことを!」
ううぅ~(涙)ずっと粘って異国でたった一人でへこたれずにヒッチハイクしてよかった。僕はこの方々に出会うためヒッチハイクをしてたんだと思った。
この2日間の苦悩が報われた気がした。そう思うくらいの素晴らしい出会いであった。
その後もらった幸運のリストウォーマーをはめてヒッチハイクを継続したが、そうそう事態は好転するわけがない。
(⬆もらったリストウォーマー。)
(⬆もらった幸運のリストウォーマーをはめてヒッチハイクを継続)
そうこうしているうちに北西方面にあやしい色をした雨雲が近づいてきた。ユーコンを下った経験から間違いなく激しい通り雨が予想できた。
「もうここらへんでいいんじゃないかな!」
ヒッチハイクをし全く捕まらず露骨に嫌な顔や罵声を何回か浴び、嫌いになりそうになったカナダという国が彼らと出会い再びまた好きになっていた。
カナダという国を好きな気持ちで旅を終えたい。もうここらへんが潮時だと思った。
ただ、安易な考えでヒッチハイクをやるといった自分が恥ずかしいし、真剣に応援してくださった方々に申し訳ない気持ちで一杯だったし、惨敗で全く期待に答えられなかった自分自身に失望した。
カヌーにしろヒッチハイクにせよ自分に持てる力をだしつくしたので、悔いはないと言えば嘘になるが自分なりに一生懸命やったので後悔はない。
ヒッチハイクに関しては自分の実力がホワイトホースまでの車をみつけるまでに至らなかっただけのことだし、ヒッチハイクに限って言えば全く通用しなかったと思う。
もし、ヒッチハイクの成功率をあげようとするなら、もっともっと語学力を上げてさりげなく話かけ短時間でこいつを遠くまでつれてってやろうと思わさせるだけの語学力を身に付けなくいはいけないと思う。
僕もそれはわかっていて駐車している車のドライバーに直接交渉は何回かはしたが、残念ながらその語学力は今の僕にはなかった。至らないその実力不足と皆様からの期待を裏切ってしまった自分が情けなく悔し涙が出そうになった。
それはコールドゲームで早々に地区予選で敗退した高校球児の感情に近いのではないだろうか❗
しかし、自分の持てる力を出しつくしたし、これが自分の今時点の実力だと納得できさらなる向上心も芽生えた。
そして、最後には僕の中にも全力で真剣に勝負したが夢儚くも破れた彼らが流した涙の後に、みたあろう晴れ晴れとした爽やかな雲一つない清々しい空が広がっていた。
ユーコンは、時に雨を降らせ冷たく厳しく人をあしらい、時に非常な仕打ちをもたらすが、逆に包み込むように暖かい日差しに抱きしめられ、時に鳥肌がたつような美しい情景を見せてくれ、時に涙がでそうなくらいの感動的な出会いをもたらせてくれた。
ユーコン来て良かった。ユーコンで一生懸命やって良かった。
応援して頂いた皆様、出会った皆様全員に感謝の気持ちで一杯になった。
ユーコンでの僕の長かった暑い夏も終わった。そう実感した瞬間だった。
帰国まで残り日数が少なくなってきた。
明後日のホワイトホース行きバスに乗らないと出国日までにホワイトホース空港まで戻れず帰国できなくなる。さらに明日の天気は雨。そして、もしもバスで帰るなら一旦ドーソンまで戻りバスチケットを購入しに行かなくはならず、荷物が多いので今のこの場所でのピックアップの交渉もしなくてはいけない事もあり今日で車を捕まえられなければ終了である。なので気合いをいれてヒッチハイクをやろうと思う。
(⬆ホワイトホース~ドーソン間のバス、109カナダドルとのこと。ハスキーバス社はユーコンではとても有名でドーソン空港までの送迎やドーソンからホワイトホースまでのカヌーのトランスポートなどその他色々と観光客からの要望も受付ているそうだ。)
と、その前にトイレに行こうと思いキャンプ場に併設されたランドリーの前を通るとベンチに座っていたアラスカから来たという2人組の女性から話かけられた。
名前を聞かれたのでyasudaですと答えたら、フランク安田を知ってるか?と聞かれた。
新田次郎さんが書いたフランク安田さんが主人公のアラスカ物語を読んだ事があるので知ってるよと答えるととても満足そうな顔をしてアラスカではとても有名で尊敬されていると言っていた。
彼女達のアラスカの自宅近くにユキさんと言う日本人が住んでいてよく日本の情報を聞くと言っていた。
アラスカではあまり価値がないイクラは日本では大変高価で取引されて事や日本語ではサーモンを鮭って言う事など日本の情報を色々と知っていた。
僕もユキさんに負けじと彼女達に今日本で一番熱いギャグ、「ゲッツ❗」を教えておいた(笑)
これをアラスカで出会った日本人に挨拶のかわりに使ったり、釣りでサーモンが釣れた時にやるといいよとアドバイスしておいた。
naverまとめからの抜粋
アラスカからいらした女性2人組み
その他お兄様がアウトドアショップに勤めているそうでサーモンフィッシュツアーのチーフマネージャーされているとかでアウトドアにとても精通されているようだった。
僕もアラスカには近い将来冒険を考えていて「マッキンリー山には深い敬愛の念があり、いつかマッキンリーに単独で登ろうと考えている。お兄さんは登山もやるのか?」と相談したら、「登山のトレーニングはしてるか?もし登る気があるなら知り合いのエージェント会社を紹介するよ。」とまで言ってくださりEメールアドレスを頂いた。
最後に「ヒッチハイク捕まるといいね。グットラック❗」言ってくれた。
彼女らと別れこの日のヒッチハイクを開始する。しかし、前日より車の流れが悪いような気がする。しかも全く止まってくれる気配すらない。
この日も流石にファックオフはなかったがブーイング的サインや何か呟かれたりもした。気温も上がり直射日光にさらされとても暑い。 だんだんだれてくる。
(⬆道でコーヒーを沸かして飲む。)
「今日もさっぱりダメだな、1台もなしで坊主なのか?」
諦めかけた時一台の車が停まった。
「ホワイトホースまで行きますか?」と尋ねたら、「すまん行かないんだ、ホワイトホースまで行きたければドーソンからバスが定期的に出てるがそれではダメか?ホワイトホースまでヒッチハイクするにはあまりにも遠すぎるかもだ。なので、君のことが心配だから停まった。」とおっしゃってくれた。その優しい心遣いに心救われた。
助手席には奥様が座り後部座席にはお嬢様が乗っていたので、人数分の折り鶴と日本で買って持ってきたオモチャの手裏剣をあげた。僕の持っている折り紙は葛飾北斎の版画のデザインなので、折り紙の原紙をつけて渡した。興味をもってくれようで「誰の絵か?」の質問を受けたので、「カツシカホクサイ(葛飾北斎)」と言ったら聞き取れず全く理解なかったようでキョトーンとされていた(笑)
(⬆折り紙と折り鶴。)
ホワイトホースには仕事で行ったばかりで今は家族でドーソンに遊びにきたとのこと。
心配してくれたことに深く感謝して別れた。
その後、何と何と奥さまがお嬢様と一緒に手を繋ぎ歩いて戻っていらっしゃって、折り紙のお礼として手編みのリストウォーマーを届けてくださった。
「この辺りは、朝夕は冷えると思うので使ってください。貴方に幸あらんことを!」
ううぅ~(涙)ずっと粘って異国でたった一人でへこたれずにヒッチハイクしてよかった。僕はこの方々に出会うためヒッチハイクをしてたんだと思った。
この2日間の苦悩が報われた気がした。そう思うくらいの素晴らしい出会いであった。
その後もらった幸運のリストウォーマーをはめてヒッチハイクを継続したが、そうそう事態は好転するわけがない。
(⬆もらったリストウォーマー。)
(⬆もらった幸運のリストウォーマーをはめてヒッチハイクを継続)
そうこうしているうちに北西方面にあやしい色をした雨雲が近づいてきた。ユーコンを下った経験から間違いなく激しい通り雨が予想できた。
「もうここらへんでいいんじゃないかな!」
ヒッチハイクをし全く捕まらず露骨に嫌な顔や罵声を何回か浴び、嫌いになりそうになったカナダという国が彼らと出会い再びまた好きになっていた。
カナダという国を好きな気持ちで旅を終えたい。もうここらへんが潮時だと思った。
ただ、安易な考えでヒッチハイクをやるといった自分が恥ずかしいし、真剣に応援してくださった方々に申し訳ない気持ちで一杯だったし、惨敗で全く期待に答えられなかった自分自身に失望した。
カヌーにしろヒッチハイクにせよ自分に持てる力をだしつくしたので、悔いはないと言えば嘘になるが自分なりに一生懸命やったので後悔はない。
ヒッチハイクに関しては自分の実力がホワイトホースまでの車をみつけるまでに至らなかっただけのことだし、ヒッチハイクに限って言えば全く通用しなかったと思う。
もし、ヒッチハイクの成功率をあげようとするなら、もっともっと語学力を上げてさりげなく話かけ短時間でこいつを遠くまでつれてってやろうと思わさせるだけの語学力を身に付けなくいはいけないと思う。
僕もそれはわかっていて駐車している車のドライバーに直接交渉は何回かはしたが、残念ながらその語学力は今の僕にはなかった。至らないその実力不足と皆様からの期待を裏切ってしまった自分が情けなく悔し涙が出そうになった。
それはコールドゲームで早々に地区予選で敗退した高校球児の感情に近いのではないだろうか❗
しかし、自分の持てる力を出しつくしたし、これが自分の今時点の実力だと納得できさらなる向上心も芽生えた。
そして、最後には僕の中にも全力で真剣に勝負したが夢儚くも破れた彼らが流した涙の後に、みたあろう晴れ晴れとした爽やかな雲一つない清々しい空が広がっていた。
ユーコンは、時に雨を降らせ冷たく厳しく人をあしらい、時に非常な仕打ちをもたらすが、逆に包み込むように暖かい日差しに抱きしめられ、時に鳥肌がたつような美しい情景を見せてくれ、時に涙がでそうなくらいの感動的な出会いをもたらせてくれた。
ユーコン来て良かった。ユーコンで一生懸命やって良かった。
応援して頂いた皆様、出会った皆様全員に感謝の気持ちで一杯になった。
ユーコンでの僕の長かった暑い夏も終わった。そう実感した瞬間だった。