2016年09月

🌟8月4日
帰国まで残り日数が少なくなってきた。
明後日のホワイトホース行きバスに乗らないと出国日までにホワイトホース空港まで戻れず帰国できなくなる。さらに明日の天気は雨。そして、もしもバスで帰るなら一旦ドーソンまで戻りバスチケットを購入しに行かなくはならず、荷物が多いので今のこの場所でのピックアップの交渉もしなくてはいけない事もあり今日で車を捕まえられなければ終了である。なので気合いをいれてヒッチハイクをやろうと思う。

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(⬆ホワイトホース~ドーソン間のバス、109カナダドルとのこと。ハスキーバス社はユーコンではとても有名でドーソン空港までの送迎やドーソンからホワイトホースまでのカヌーのトランスポートなどその他色々と観光客からの要望も受付ているそうだ。)

と、その前にトイレに行こうと思いキャンプ場に併設されたランドリーの前を通るとベンチに座っていたアラスカから来たという2人組の女性から話かけられた。
名前を聞かれたのでyasudaですと答えたら、フランク安田を知ってるか?と聞かれた。
新田次郎さんが書いたフランク安田さんが主人公のアラスカ物語を読んだ事があるので知ってるよと答えるととても満足そうな顔をしてアラスカではとても有名で尊敬されていると言っていた。

彼女達のアラスカの自宅近くにユキさんと言う日本人が住んでいてよく日本の情報を聞くと言っていた。

アラスカではあまり価値がないイクラは日本では大変高価で取引されて事や日本語ではサーモンを鮭って言う事など日本の情報を色々と知っていた。
僕もユキさんに負けじと彼女達に今日本で一番熱いギャグ、「ゲッツ❗」を教えておいた(笑)
これをアラスカで出会った日本人に挨拶のかわりに使ったり、釣りでサーモンが釣れた時にやるといいよとアドバイスしておいた。

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naverまとめからの抜粋

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アラスカからいらした女性2人組み

その他お兄様がアウトドアショップに勤めているそうでサーモンフィッシュツアーのチーフマネージャーされているとかでアウトドアにとても精通されているようだった。
僕もアラスカには近い将来冒険を考えていて「マッキンリー山には深い敬愛の念があり、いつかマッキンリーに単独で登ろうと考えている。お兄さんは登山もやるのか?」と相談したら、「登山のトレーニングはしてるか?もし登る気があるなら知り合いのエージェント会社を紹介するよ。」とまで言ってくださりEメールアドレスを頂いた。
最後に「ヒッチハイク捕まるといいね。グットラック❗」言ってくれた。

彼女らと別れこの日のヒッチハイクを開始する。しかし、前日より車の流れが悪いような気がする。しかも全く止まってくれる気配すらない。
この日も流石にファックオフはなかったがブーイング的サインや何か呟かれたりもした。気温も上がり直射日光にさらされとても暑い。

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だんだんだれてくる。

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(⬆道でコーヒーを沸かして飲む。)


「今日もさっぱりダメだな、1台もなしで坊主なのか?」
諦めかけた時一台の車が停まった。
「ホワイトホースまで行きますか?」と尋ねたら、「すまん行かないんだ、ホワイトホースまで行きたければドーソンからバスが定期的に出てるがそれではダメか?ホワイトホースまでヒッチハイクするにはあまりにも遠すぎるかもだ。なので、君のことが心配だから停まった。」とおっしゃってくれた。その優しい心遣いに心救われた。
助手席には奥様が座り後部座席にはお嬢様が乗っていたので、人数分の折り鶴と日本で買って持ってきたオモチャの手裏剣をあげた。僕の持っている折り紙は葛飾北斎の版画のデザインなので、折り紙の原紙をつけて渡した。興味をもってくれようで「誰の絵か?」の質問を受けたので、「カツシカホクサイ(葛飾北斎)」と言ったら聞き取れず全く理解なかったようでキョトーンとされていた(笑)

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(⬆折り紙と折り鶴。)


ホワイトホースには仕事で行ったばかりで今は家族でドーソンに遊びにきたとのこと。
心配してくれたことに深く感謝して別れた。
その後、何と何と奥さまがお嬢様と一緒に手を繋ぎ歩いて戻っていらっしゃって、折り紙のお礼として手編みのリストウォーマーを届けてくださった。
「この辺りは、朝夕は冷えると思うので使ってください。貴方に幸あらんことを!」
ううぅ~(涙)ずっと粘って異国でたった一人でへこたれずにヒッチハイクしてよかった。僕はこの方々に出会うためヒッチハイクをしてたんだと思った。
この2日間の苦悩が報われた気がした。そう思うくらいの素晴らしい出会いであった。

その後もらった幸運のリストウォーマーをはめてヒッチハイクを継続したが、そうそう事態は好転するわけがない。

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(⬆もらったリストウォーマー。)

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(⬆もらった幸運のリストウォーマーをはめてヒッチハイクを継続)

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そうこうしているうちに北西方面にあやしい色をした雨雲が近づいてきた。ユーコンを下った経験から間違いなく激しい通り雨が予想できた。

「もうここらへんでいいんじゃないかな!」

ヒッチハイクをし全く捕まらず露骨に嫌な顔や罵声を何回か浴び、嫌いになりそうになったカナダという国が彼らと出会い再びまた好きになっていた。
カナダという国を好きな気持ちで旅を終えたい。もうここらへんが潮時だと思った。

ただ、安易な考えでヒッチハイクをやるといった自分が恥ずかしいし、真剣に応援してくださった方々に申し訳ない気持ちで一杯だったし、惨敗で全く期待に答えられなかった自分自身に失望した。

カヌーにしろヒッチハイクにせよ自分に持てる力をだしつくしたので、悔いはないと言えば嘘になるが自分なりに一生懸命やったので後悔はない。
ヒッチハイクに関しては自分の実力がホワイトホースまでの車をみつけるまでに至らなかっただけのことだし、ヒッチハイクに限って言えば全く通用しなかったと思う。

もし、ヒッチハイクの成功率をあげようとするなら、もっともっと語学力を上げてさりげなく話かけ短時間でこいつを遠くまでつれてってやろうと思わさせるだけの語学力を身に付けなくいはいけないと思う。

僕もそれはわかっていて駐車している車のドライバーに直接交渉は何回かはしたが、残念ながらその語学力は今の僕にはなかった。至らないその実力不足と皆様からの期待を裏切ってしまった自分が情けなく悔し涙が出そうになった。

それはコールドゲームで早々に地区予選で敗退した高校球児の感情に近いのではないだろうか❗

しかし、自分の持てる力を出しつくしたし、これが自分の今時点の実力だと納得できさらなる向上心も芽生えた。

そして、最後には僕の中にも全力で真剣に勝負したが夢儚くも破れた彼らが流した涙の後に、みたあろう晴れ晴れとした爽やかな雲一つない清々しい空が広がっていた。

ユーコンは、時に雨を降らせ冷たく厳しく人をあしらい、時に非常な仕打ちをもたらすが、逆に包み込むように暖かい日差しに抱きしめられ、時に鳥肌がたつような美しい情景を見せてくれ、時に涙がでそうなくらいの感動的な出会いをもたらせてくれた。

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ユーコン来て良かった。ユーコンで一生懸命やって良かった。
応援して頂いた皆様、出会った皆様全員に感謝の気持ちで一杯になった。
ユーコンでの僕の長かった暑い夏も終わった。そう実感した瞬間だった。

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🌟8月3日
となりのキャンプサイトにいたオーストリア人に挨拶がてら帰る旨を伝え握手し別れた。

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ドーソンシティの観光協会の方がキャンプ場に来てキャンパー全員にドーソンやユーコンに関してのアンケートをとっていた。

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僕も参加しアンケートに応じ、お礼にユーコンのオリジナルのスーツケースタグを頂いた。ホワイトホースまでヒッチハイクをするというと距離があるのでかなり難しいと言われ、近くの大学でパソコンを一般に開放していて、そこでネットの掲示板でホワイトホースまで一緒に乗せて行ってくれる人を探すといいし、実際そうやってホワイトホースまで帰る人も沢山いるよと大学の場所と掲示板の詳細を教えてくれた。
なんて親切な方なんだ。とてもうれしくありがたいが、ヒッチハイクを含めての旅なので今さら予定変更はできない。泣く泣くその魅力的な計画はスルーする。

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フェリーに乗り街に向かう。

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(ドーソンシティにて)

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(⬆四駆を牽引してのキャンピングカー。カナダではよくこういう方をお見かけした。キャンピングカー専用のオートキャンプ場にキャンピングカーを駐車しそこで泊まり、行動は四駆の車でお出かけと言うスタイルだ。恐らくキャンピングカーだけで1500万円位するのでは?
日本で成功者と言うと立派な家、外車にのって高級レストラン行き、ブランド物を買い漁る方々が多いがカナダの成功者では大きなキャンピングカーを買って家族でキャンプ行と言うスタイルをとる方々が多いみたいだ。とても眩しく羨ましく感じる。流石アウトドア大国だ。しかも僕のような小汚ない格好をしたおっさんにも同じアウトドア好き目線で接してくれ優しい。)

町で大きなバックパックを背負い沢山の荷物を持っていると、とても目立つようでアイヲワから観光にきたという老夫婦に話しかけられた。
自然が好きなのでカナダは好きだという彼らと僕の価値観ほぼ同じで会ったばかりだというのに優しくとても親近感を持って話をしてくださった。
折り紙を渡すとアイヲワの日本料理屋は「折り紙」って言う名前だとおっしゃっていた。

彼らと別れ人生初ヒッチハイクに向かう。
気分は最高にナーバスになった。
この旅で何が一番プレッシャーだったというとカヌー行でもなくヒッチハイクだった。
幾分はじめてなのでどうしたらいいのか?どのように動けばいいのか?右も左もわからず緊張し、海外と言うこともあわさりとてもナーバスになった。

めぼしいストリートをあらかじみつけておいたので、そこでやることにする。


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手の挙げぐあいはこのようでいいのか?
荷物を背負ってやったほうがいいのか?
すべては手探りではあったがやってみた。

ドライバーの3分の1位は通りぎる途中に手を振りかえてしてくれるので断られても気持ちがいい。

一時間位たって目の前に若い女性が運転する車が止まった。

「ホワイトホースにいく予定ですか?」と尋ねると彼女は「ここはアラスカに行く人が多くホワイトホース行きの車を捕まえるのは難しいのでヒッチハイクにもっと最適な場所まで乗せて行くよ。そこはもっと車の通りがありホワイトホースまでいく車もここよりはあると思うので、そこでやるといいよ。」と言われたので乗せてもらう。

そこはガソリンスタンド兼キャンピングカー専用のオートキャンプ場になっていて、
彼女の言う通りで車の通りも多かった。
丁重にお礼をいい、お礼として折り紙を渡す。

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さあ仕切り直しでヒッチハイクをする。

するとすぐに大きな犬を助手席にのせた人の良さそうなワイルド系のおじさんが運転する車が止まった。

おお、ホワイトホースゲットか?と思いきや、
「近くの空港に行くが一緒に行くか?急ぎなら空港からホワイトホース行きの飛行機が出てるのでそれに乗るといいよ。」とおっしゃっていた。

もし、時間がつまってきたらそうするが今は、もうすこし粘っていたい。

「止まって下さり誘ってくださっことに感謝します。」といい丁重にことわった。


付近を行き交う犬を散歩される方、自転車を漕ぐ方、恐らく近所の方と思われる人達がグットラックと言って応援してくださるので気持ちがいい。

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2時間で2台止まってくれた。これは行けるんでねーのと思ったが、人生そんな甘くない。
それ以降ぴったりやんでしまい、
太陽も照りだし暑いわ捕まらないわで、気持ちがめげてきた。

それだけならまだしも、特に若い女性や若いやんちゃそうな男性に多いのだが、露骨に嫌な顔されたり、ブーイングのようなサインをされたりした。
極め付けは若い青年集団が運転する車にブーイングのサインに大きな声でファックオフといわれにらみつけられ唾をはかれたことだ。
さすがにこのファックオフにはへこんだ、
確かに仕事そっちのけでこんな道楽旅行に生き甲斐を感じてる僕はファックオフかもしれない。
しかし、僕はあんたの贔屓のチームに高い移籍をとって入った期待はずれの日本人選手でもないし、今回あんたに一切何も迷惑掛けてもない、よってファックオフといわれる筋合いは全くない。
そう思うと腹がたった。

恐らく白人至上主義で、黄色人種ごときがなに調子に乗ってヒッチハイクしようとしてるんだ、乗せるわけきゃーねーだろ的な感じだったと思う。

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(⬆気持ちが折れ座りながらやる。)
この出来事で完全に気持ちがおれ8時間ヒッチハイクをねばとうと、するも6時間で撃沈した。
6時撤収。
キャンピングカー専用のオートキャンプ場だったが、受付でキャンプにキャンプのみの利用だけど可能かどうか聞いたらオッケーだった。受付の女性は僕が最初車のパーキング代を誤魔化そうとしいるのではないかと不審がられたが、ここまでヒッチハイクできてその後車が捕まらなかったと言ったら納得してくれた。

しかし、キャンプ場には観光バスほどの大きさのキャンピングカーが多数止まっていて僕だけ歩きでテントで場違いだったが皆様とても優しく挨拶をしてくれた。
優しく挨拶してくてるだけでもとてもありがたかった。僕がヒッチハイクしたことはここの全員知っていると思うし、そこで気持ち悪いものでもみるように避けられたら完全に心折れたであろう。
有料だがシャワーがあったので使った。
そこで折れた気持ちの修復に務めた。


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(⬆キャンピングカー専用のオートキャンプ場にヒッチハイクで大きな荷物。僕は完全に場違いで浮いていたが、皆様優しく挨拶をしてくれた。)

8月2日天候晴れ
ドーソンシティの北側にはひときわ大きな山があり、どうしても登りたくなったので登りにいった。
ドーソンインフォメーションセンターでもらった観光地図には、ドーソンシティの周りに巡るトレッキングコースは詳しく書いてあるがその山への登山道は書いておらず
どこから登っていいのかよくわからない。ひとまずトレッキング道の入り口から山頂への道を探すしかない。

念のためにくまよけと鈴を持ち歩く。
地図にのっていたトレッキング道にはいる。

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(ひときわ大きな山の山頂を目指す。)

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(ユーコン川とクロンダイク川の合流点)

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(クロンダイク川)

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(⬆よく整備された道が続く)

よく整備された道が続きあっというまに展望台に到着する。

そして、目標の山の頂方向に向けて進む。だんだん道は険しくなりこの先は非整備道注意と書いた看板があり、いきなり非整備の道がはじまる。ただ人が通った踏み跡があるトレイル道なので迷うことはない。

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丘の頂きには墓地あった

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ここより上より整備していない道が続きますと書いてあった。

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視界が開けた。

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(⬆コーヒーブレイク。)

そして、山の中腹にさしかかる。富士山の登山道を彷彿させるような道で大きな岩がそこらじゅうに堆積していた。
しかも急な斜面をトラバースするような形だったので、いつ落石があってもおかしくない。
その場所でいきなりトレースが消える。
上部に足跡がうっすらあったので上にむかうもその足跡もすぐにきえた。
とどまると落石が怖いのでここだろうというルートを進むがどん詰まりになりいけなくなってしまった。もう少し強引に登って上から下をのぞくと、踏み跡トレースを発見。さっき足跡につられて上に上がったがそのまま上に上がらず我慢して進めば良かっただけだった。

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大きな岩が崩れたあともあり。いつ落石があってもおかしくなかった。

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が、景色がきれいなので記念撮影。

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(⬆ドーソンシティが見事に見えた。)



落石気をつけてトレイルに復帰。
落石地帯を抜け、樹林帯に復帰してずんずん上ると山頂はあった。
若干展望が木々に邪魔されいるが、ドーソンシティが見えて綺麗だった。

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(⬆山頂到着。)

明日からのヒッチハイクで気が重かったが、とても楽しかった。

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(⬆もうひとつすぐ横のピークをめざす)






何と犬がいて尻尾を振りやってきた。なででいるとこちらにむかって女性が遅れてやってきた。

ワンちゃんの名前はリリーちゃんと言うそうで2歳女の子だ。
飼い主の女性にとって自慢のワンちゃんらしく終始「可愛いでしょ、頭もよく私のプリンセスなのぉ~」と親バカぶりを発揮されていた。
女性はドーソン近辺に住んでいるようで、何ともうひとつの山頂へにはアスファルトで道が整備され自動車で乗り入れることが可能だそうでそこに駐車して、ここにはリリーちゃんと一緒にブルーベリーを積みにきたとのことで採集したブルーベリーをすこし分けてくれた。
酸味が聞いたほんのり甘いブルーベリーだった。

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リリーママから頂いたブルーベリー

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(⬆ブルーベリーが至るところに咲いている。)

この山はブルーベリーやラズベリーがいたるところに咲いているので採集しながら下山してみたらとアドバイスもくれた。
リリーちゃんを撫でながら話を聞いていると、その会話中も聞いてもないのに「そうでしょ!可愛いでしょ!だって私のプリンセスだもの」と最後まで親バカぶりを発揮されていた。リリーちゃんもこれほど愛してくれるママがいてさぞや幸せなことだろう。良かったねリリーちゃん。
折り紙を渡すと喜んでくれた。折り紙のことを知っていた。

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もう一つのピークにて

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(⬆ドーソンシティに下山して登った山を振り返る。)
その後もうひとつのピークの山頂に到着し記念写真を撮りドーソン向けて下山をしようと下山したがなんと道迷いをしてしまった。一瞬焦ったがそのまま強引に進み行きとは全く違う道でドーソンシティに下山することができた。

帰りフェリーに乗ると老夫婦が仲慎ましく若いカップルのように腕を組んで景色を眺めていた。
カナダの老夫婦達は皆様とても仲がいい。
街角でも腕を組んだり手をつないだりしていて、見ているとこちらまでホンワカしてしまう。歳を重ねても若き日のように仲がよく手を繋いだり腕を組んだりして歩く、、何かいいね❗


キャンプ場にもどり水でしっかり体を洗い翌日のヒッチハイクに備えた。

🌟8月1日
この日は晴天

カヌー行では朝飯を作って食べ昼間のコーヒー用のお湯を沸かしテントに出した小物をパッキングしなおしテント類をかたずけ
カヌーに荷物を詰め込む作業等々があるので出発予定の約3時間前の6時半くらいに起きていたため、カヌー行終了後の翌日のこの日も6時でが覚めた。

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(⬆ドーソンキャンプグランド)
もう急ぐことはないのでゆっくり二度寝し、バーナーカートリッジと水の買い出しとヒッチハイクが不発だった時の保険としてバスの出発地の確認をしに行った。

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(⬆フェリー乗り場にて)

町に出ると、昨日キャンプ場に見かけたファミリーと偶然出会う。
挨拶をする。「キャンプ場はよかったか?」ときかれた。「良かった。シャワーがあればもなお良かった。」と答えると笑っていた。
折り紙を渡し彼らとはすぐに別れた。

昨日のカヌーを乗り捨てた地点に行ってみるとなんとまだカヌーが置いてあり、ラッキーなことにリリースした水もまだそのまま残っていたので回収した。

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(⬆カヌー放置プレー)
バーナーカートリッジをかいにいく、ユーコンではコールマン社製のカートリッジとバーナー本体はよくみかけるのだが、日本で売られているスノーピークやプリズム社製のバーナーと連結できるカートリッジはホワイトホースしかおみかけできなかった。
探してみる、一軒目、コールマンカートリッジとコールマン本体のみ
2軒目同じでなし、

もう一軒ホームセンターを見かけたのではいってみる。
直接聞いてみるとミニサイズだったがなんと扱っていた。14ドルもしたがガス缶がないと不便なので購入した。

何故にコールマン社製のだけしか置かない店が多いものか、メーカーからバックマージンでももらっているのだろか?一軒目ではお目当てのガス缶がないことに意気消沈していると店員から、この際コールマン社の本体の購入したらどうかとを薦められた。

次にバスを見に行く、
バス会社にいって聞いてみると、

月曜火曜土曜の12時から出発しているそうで所用時間6時間半で109ドルとすこし高い。
もしヒッチハイクが不発におわったら土曜日の便で帰ろうと思う。

ひとまず水をキャンプ場まで持って帰った。これが10リットルのボトルが2本なので事のほか重い。
フェリー乗り場で一緒になった女性と一緒にキャンプ場まで帰った。
彼女は、カナダのケベック州出身で、キャンプ場には3日間いるそうだ。
折り紙を渡すと喜んでくれた。

水をキャンプ場まで持ち帰り、再度町に繰り出す。
時間が余ったので、蒸気船の外輪船S.S. Keno号観光にいく。
(受付の方と話する。折り紙を渡す。)



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船内をくまなく観光する。
一番びっくりしたのは我々が使っていたカヌー行の為に作られた地図とほぼ変わらない地図を船乗りの方も使っていたことだ。
1階のおくでDVDが流れていてホワイトホースからドーソンまでの航路の当時の様子をみることができたのだが、浅瀬や瀬を気をつけたり広い航路をえらんだりとやっていることは現在のパドラーの我々とほぼ変わらないのでとても親近感がわいた。

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(⬆キャンピングカー専用のオートキャンプ場)
最後はドーソンシティのキャンピングカー専用のオートキャンプ場にあるシャワーとランドリーに行く。

シャワーをあびる。6分と書いてあったが、明らかに6分以内で終了。コンディショナーをぬった段階で終了する。おそらく5分もたっていないかもだ。

カナダの大自然もいいが、カナダのこういうアバウトなところも好きなりつつある。

提携のショップにカヌーを返却にいくとすぐに回収するのでそのまま川において置いてくれといわれたがその後4日間くらいは川にそのまま放置されていたし、エアカナダの飛行機内でCAにイミグレーションカードに記入するペンを貸してくれないかと尋ねたらペンは持っていないと答えた2分後持っていないはずのペン使ってメモをしていたが、実はこういうアバウトさは嫌いじゃない。
僕の敬愛する高田純二並の適当さがとても心地ちいい。

フリチンでペットボトルを水道の蛇口まで持って行って水を入れその水でコンディショナーを流した❗

ランドリーはコイン式でカーマックスにあったやつとほぼ同じだった。
使い方がわからず困っていたとなりのご婦人に教えてあげた。
どこからきたのと何しにドーソンにきたのかと尋ねられたので、日本からきてカヌーでユーコン川をくだってきたといったらに驚かれた。
「ここは、すごくいい所ですね!」といったら
満ベンの笑みを浮かべ「デッファレント」とおっしゃった。

その他の場所とは違う唯一無二と言う意味合いを一言で言ったのだろうか?シャワーを浴び清々しくなった僕にはなぜが耳に残るとても心地のよいいい響きのように感じた。


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帰って味噌汁でごはんを食べた。味噌汁ほど気持ちを落ち着かせ心も身もあたためられ元気づけられるものない。
カヌー行の出だしに風邪を引いて食欲がなくなった時も味噌汁とごはんだけは喉を通った。
全身雨でずぶ濡れになり気持ちが萎えそうな時、味噌汁で元気が出た。
味噌汁はいわば点滴もようなものだとこの旅ではじめてしった。これからの海外旅行では必至のアイテムとして必ずバックに入れ持って行きたいとおもう。


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しかしこのカヌートリップ中、手がひどく荒れた。最後はあかぎれになり血が出るくらいでものをつかむと痛みを感じるほどであった。
そして、ゴール後もまだよくなる兆しが見受けられない。


【ドーソンシティについて】
先住民の漁の宿営地として利用され、その後、1890年代のクロンダイク・ゴールドラッシュには夢を追い求める人々で賑わいました。
今もその当時名残り感じられる街です。

🌟7月31日
今日でカヌー行は終了と思うと寂しさ半分熊や雨を恐れながらもうパドルを漕がなくてもよく、片付けの煩わしさもなくなると思うと嬉しさ半分といった感じだった。

出発し2時間位だろうか?前方に町が見えた。

ドーソンシティはもう少し大きな町をイメージしていたのでドーソンにしては小さく感じたのでスルーしようとした。
が、車の交通量も多々あり人の往来も多々あるので、再度地図で地形を何度も確認するとドーソンに間違いなかった。

危ない危ない通り過ぎてしまうところだった。

ドーソンの川岸からは茂みや木々が邪魔をし土手の奥がどうなっているのかよくわからず、奥にすすんで今後着岸できそうな岸もあるかもわからないので、確認の為に一番最初に着岸できそうなポイントで仮上陸した。

着岸したのは町の端のようで、ドーソンシティのメインストリートまでは少しあったが歩き、メインストリート直近の活動しやすいめぼしそうな上陸地点を確認しカヌーまで戻り、ドーソンのメインストリートに隣接する岸に着岸した。

テズリンのジョンソンアンドクロッシングから出発すること17日間。そして、総距離785キロのゴールである。

特に感傷に浸るような感覚はなかった、なかったが明らかに一皮向け人間的に大きくなった実感が湧きとても貴重で有意義な経験をさせて頂くことができたと感じた。
そんな気持ちにさせてくれたユーコンや出会ったすべての人に感謝しお礼が言いたい気持ちにもなった。

ここにくるために色々な事を我慢し犠牲にしてきたがやり遂げて本当に良かった。
犠牲の分以上の有り余る喜びをもらえた。
またいつかの日にかユーコンでカヌーを漕ぎたい。そう純粋に思った。

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⬆ゴールする


カヌーと装備を提携のショップに返しにいく。感じのいい店員さんにレンタルしたフートコンテナやライフジャケット、パドルなどをすべて持ってきてくれといわれる。

片付けの最中に激しい雨が降ってきた。そそくさカヌーからすべての荷物おろしすぐ近くの空き家の裏庭の軒下で雨宿り兼荷物を分けていると、ハエの大群がきた。
その大群がたかってきたと同時に強烈な痛みを感じた。よくよくみてみるとハエではなく蜂だったのが気がつくまでに2、3ヶ所刺されてしまった。
すぐに逃げたのだが、このままでは荷物仕分けしたくても出来ない。

あっ!そう言えばユーコンは蚊がすごいと聞いていたので、ホームセンターでネットつきぼうしを購入し使わずじまいだった。それといつも就寝前にテント内で使っていたアース「押すだけワンプッシュ」があることに気づいた。

恐る恐るもどり、帽子とスプレーが入っている袋だけをとって逃げる。

袋の中を確認、あった❗
チャラチャラチャチャラー🎶
「ネットつきぼうしィー❗」
「アース押すだけワンプッシュゥー❗」

よーし、反撃だ。
近づくとそうそうに蜂達は戦闘体制でやってきた。ネット越しに刺されないかと心配だったが、大丈夫だった。
ネットがシールドの役目を果たし蜂の攻撃を跳ね返し刺されない。

こんにゃろ~め。今こそ
日出る国のリーディングカンパニーアース社の「押すだけワンプッシュ」の力をみせてくれようぞ❗

日本にトップカンパニーがここカナダで通じるだろうか?しかも蚊ではなくハチに通用するかどうか?日本人としてあつくなった。

1日ワンプッシュ、そしてまた1プッシュ、1週間分位は押したろうか?いきなり攻撃がやんだというか、全くいなくなった。凄まじい破壊力。今期シーズンの新人王は間違いないアースで決まりだ。

周りに人がいたので拳を突き上げ、
大きな声で「アース ナンバー1❗」と叫びたくなってしまった。

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(⬆穴の中に蜂の巣あるようだ)

しかし、恐るべし効力の「アース押すだけワンプッシュ」。後ろの説明書に蚊だけでなくハチに襲われたら反撃に気軽にボタン押しちゃいなよ~って書いていいじゃねーと思う位の効果的だった(笑)

仕切り直しし片付けしていると、ずいぶんと食料が余ったこと気がついた。残りの日数とヒッチハイクをしなくてはいけない事を考えると不要だ。
捨ててしまおうかと悩んでいるとなんと雨宿りするチャリダーが目に入る。
余分な食料品をあげてしまおうと考え、話かけた。

フランスから来たという元気な青年だった。こういうジャンルが好きな人とは話が弾む。

アラスカからバンクーバーまでを目指し、ドーソンまでたどり着いたそうで、ユーコン川をカヌーで下りたかったそうだがカヌー経験がほとんどないので諦めたそうだった。

アラスカからドーソンまではとても大変な道が続き、グリズリーも生息するので大変だったらしい。パタゴニアで自転車を漕ぐのが夢だともいっていた。

とても明るい気さくな青年で、こちらまで元気をもらえた。

旅の無事を祈り、夢に向かってお互い頑張ろうと硬い握手をして別れた。

かなり食料が減ったので、これで歩いて
キャンプ場に向うことができる。

カヌーを返却してキャンプ場向かう。
町の外れにキャンプ場行きのフェリー乗り場があるそうで、向かってみる。

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(⬆フェリー内にて。むかいは酔っ払いのお姉さん)


あったが今度はキャンプ場がわからないので、丁度乗り場にいた二匹の犬づれの女性に話しかける。
最初はフランス語しかわからないと言っていたがその後しっかり流暢な英語を話していた。

フェリー出発前に町に向けてポーズをとっていた。どうしたのかと問うと、
フィアンセがいるので合図したといったが、周りは誰もいない。

完全に酔っぱらいだった。
フィアンセといいながらいきなり夫のことのなど話していたが、呂律が回ってなくよく聞き取れない。
ただ僕がキャンプ場を目指しているこのとはしっかり覚えていてくれたようで、入り口まで案内してくれた。お礼に折り紙を渡す。何か言っていたが相変わらず呂律が回っていなくよく理解できなかったが、折り紙に喜んでくれたことは間違いなかった。

キャンプの入り口を進むとでいかにもアウトドアが好きそうな犬連れの髭面の男性に話かけられた。
ドイツ出身で、この男性も犬と一緒にカヌーでドーソンまできたそうで、ここのキャンプ場に2週間以上にいるとのこと。

これからホワイトホース向けて出発するとので、今自分がいるテントサイトを使いなよって言ってくれたので、お言葉に甘え使わせてもらった。

水場の場所やキャンプ場にはシャワーがないのでドーソンシティでのシャワーを浴びれる場所等を詳しく教えてもらった。


「ホワイトホースにはどの交通機関で行くのか?」ときいたら当然のように「ヒッチハイクだ。」と言っていた。
時計を見ると17時を回っていたので
「もう遅いけど大丈夫か?」ときいたら笑って「全然平気でしょ!」と返答がかえってきた。
犬も一緒にヒッチハイクかときいたら当然でしょって、世の中にはすごい人って沢山いるなと思った。
彼の旅の安全祈願に折り紙を渡すと珍しげ眺めジャケットのポケットにいれていた。

水場を見に行く。要ボイル10分とかいてあった。
ガーンもっと早くわかっていたら、水持参できたのに~。

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(⬆キャンプサイトはきれいで、居心地は良かった。)

しかし、12ドルもとられた上に要ボイル10分の水場とシャワー無しとは何と親切なキャンプ場だろうか!
バーナーカートリッジの残量少なくドーソンにつくやいなや水も捨ててしまったので、疲れているうえに面倒この上ないキャンプ場だった。

【7月31日の写真】
⬇泊まった中洲にて

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⬆朝もやの中コーヒーを飲む。

こんな僕にも人並みに悩みや葛藤があり凹むことがある。
が、大自然を眺めていると悩みなど吹っ飛ぶ。なんて小さな事で悩んでいたのかって!なんて取るに足らない下らない事で悩み凹んでいたのかと。

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出発する

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お世話になった中洲(クリニック)

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ゴールに近づきカモメが祝福してくてた。
というのは嘘で、巣があるようでそれを守る為の威嚇行為で、爆弾のように大きな糞までカヌーに落としていった。すごい命中率だ。
おのれ鳥類めー。愚弄するか(笑)

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ドーソンが見えてくる。

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観光船

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ゴールする。

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ドーソン上陸

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蜂と格闘する。

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フランスからきたという。
折り紙を渡す。

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自身で改造したとのこと。

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颯爽と走り去った。

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フェリー乗り場発見

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